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2007.08.03 夏の一番星
この間おとんと久しぶりにコンサートに行きました。
その名も『スローなる夕べ』というもので、140数年その地で醤油屋を営む老舗が、
2年前に地元に食文化の深遠を求めて作ったこだわりのお食事処で、
5月から9月にかけて月1回満月の夜に、野外でミニコンサートを聴いたあと、
地元の無農薬野菜を使ったフルコースをいただきながら日頃の憂いを忘れましょう、、
という試みです。
いつもなら、ワタクシの提案するイベントをめったに褒めないおとんなのですが、
この夜だけはさすがに堪能したようでした。

夕刻、日暮れ前から始まった弦楽四重奏のミニコンサートは、
バックに蝉やカジカの声を交えながら、夜のベールが少しずつ少しずつ降りていく中を
粛々と進んでいきました。
そしていつのまにか山の端に夏の一番星が。

最近は涼しくなってから行く夕方のワンコ散歩ですが、
ワンコを引きながらこの一番星に出会うこともしばしば。

コンサートでの一番星もワンコとのお散歩の一番星も、
夏の夜空を飾るこの存在はなぜかしら、
なりわいの憂いなどなにもかも忘れさせてくれます。

久しぶりに自作のワンコ短歌が出来ましたので、
恥ずかしながらお披露目いたしますね。

憂いなどありてなきもの犬を引くゆうべに光る夏の一番星






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2007.02.22 春の訪れ
朝かげにたんぽぽ踏みて行く犬の肢(あし)なみ軽く春はととのふ
                           ~「犬の歌」平岩米吉歌集より

さりげない歌ですが、この季節の気分がよく表わされていますね。
とりわけ暖かい今年の冬の終わりは、春が一気に押し寄せてきたかのような印象です。

作者である平岩米吉氏は日保の設立にも係わった愛犬家中の愛犬家。
犬としては主にシェパードが中心でしたが、40数年の間に60頭余りの犬と、
犬の仲間である狼やハイエナなどを飼育し、愛し、観察された未曾有の動物学者です。
また動物文学という概念をこの国に定着させた功労者でもあります。
昔の犬の致命的な病だったフィラリアの撲滅のため、昭和初期に私財を投じて
研究会を発足させたのが、現在のフィラリア駆除薬の誕生につながりました。
氏はワタクシたちの愛犬の命の恩人とさえ言えるのかもと思っています。

多才な氏は少年の頃から新聞歌壇に度々入選するほどの歌作の腕前で、
犬に係わる歌を集大成させたものがこの「犬の歌」という歌集です。
長い飼育生活の中でやはり究極には「いのち」が中心となる作品がその根幹となっており、
読後は物哀しささえおぼえますが、気持ちを寄り添わせることのできるオーソドックスな
本格派の作品揃いです。

<その他の作品>

わが庭に一生(ひとよ)をすごす生命(いのち)ゆゑ時の間惜しみ共にあそばむ

人の世の大きどよめきにかかはらぬ犬の頭(かしら)を撫でつつぞをり

犬は犬、我は我にて果つべきを命触(ふ)りつつ睦ぶかなしさ






2007.01.27 雪の夜
夜おそく門の傍(そば)にて吾を待つ犬ペルの背に雪積みており

こころに沁みる歌です。
もちろんワタクシの作ったものではありません。
姉がメールで「こんなのがあったよ」と教えてくれました。
犬ペルは雪降る中をぼぉ~っと突っ立っていたわけではありません。
さっきまでは小屋の中で丸くなっていたんですね。
ご主人様は今日も残業で帰りが遅いのでしょうか。
まどろみながらもペルは大好きなご主人様の帰りを待ちわびています。
すると、、、あの角のタバコ屋さんを曲がって近づいてくる聞き慣れた足音。
それにいち早く気づいたペルは、うれしくなって寒いのも構わずに小屋から出てきました。
折りしも降りしきる雪がペルの背中にたちまち白く降り積もります。
でもペルはそんなことは構わずに、近づいてくる足音の主を待っています。
ペルはもう初老に差し掛かった「すいもあまいもわきまえた」犬。
年若い犬のように大騒ぎすることもなく静かに静かに、
けれど喜びに満たされながらつつましくたたずんでいます。
このペルの姿を自宅の門で見つけた作者は、
残業の疲れも真冬の寒さも瞬く間に忘れ去ったことでしょう。

と、以上はあくまでもワタクシの空想でありますが、、、
昭和30年代の、冬が冬らしく、犬の外飼いがごく当たり前だった頃。
時代を支えた勤勉な小市民の暮らしぶりも感じさせる佳品。

何度読んでも泣けてきます。

今はおうちの中にいるワンコが多くなりましたが、
ご主人様を待つ気持ちは今も昔も変わらないのでしょう。


※自作絶不調のため、しばらくはワタクシの好きな
 ワンコに関する秀歌をご紹介したいと思います。
2006.10.27 電柱
あの家この家電気を送る
電線張って立っている
電柱さんが立っている

なのにワンコが通るたび
オシッコびっしょりかけていく
電柱さんはかわいそう

朝も昼も夕方も
春夏秋も冬までも
ワンコは足上げかけていく
電柱さんはかわいそう

けれど文句もいわないで
電柱さんは立っている
いつも変わらずしっかりと
しずかにしずかに立っている

これは「童謡」(のつもり)です。
毎朝お散歩に連れ出すと、りきは決まって道に出てすぐの電柱に、
待ってましたとばかり勢いよくオシッコをかけます。
けれどすでにその前から、その電柱の足元はびちょびちょ状態。
常に格好のマーキング激戦区になっているわけですね。
そんな電柱の姿を見ていると、つい擬人化してみたくなります。
「電柱さんはかわいそう」のフレーズが浮かびました。
でもこのフレーズ、俳句にも短歌にもちょっと使うのはむずかしい。
ということで、こんな童謡になりました。
「これどおね?」となおなお妹に見せると、
「、、、金子みすずのパクリや~ん?」と。
た、確かに、「お魚」という題の童謡に
「お魚さんはかはいさう」という言い回しがあったね、、、
ま、、いいやろ~。

将来孫ができたら、ワンコといっしょに遊びながら、
こんなオリジナルの童謡を作ってあげたいと思っているこの頃です。

といっても、、、
一体全体いつの日になることやら。     チ~~ン(鐘の音)
2006.10.06 綺羅星のごとく
まきばで、4ワンコがキャッキャと走り回る姿を見ていると、
マスコミに見る世の中の色々な出来事が胸によぎります。

皇室に40数年ぶりに生まれた待望の男子「悠仁様」。
かと思えば、実母や義理の父に虐待を受け、
あざだらけで幼い命を失くす子供たち。
そして普通の平和な家庭に生まれて普通の暮らしの中で、
突然、酒酔い運転やモラルのないドライバーが運転する
暴走車によって死んでいく子供たち、、、。

動物の世界ではあちこちに聞くワンコたちの受難。
ペット産業のなれの果ての大量放棄、、、
でもこれは、動物たちの責任ではなくて、
人間社会の勝手の結果。

真昼の空には見えない星が無限にある。

きら星のごと生まれ来るいのちなりきら星のごと光あれかし


2006.09.02 季節のうつろい
先ほど「BS俳句王国」があっていました。
毎週土曜日の午前中、ほっとするひとときに、
この番組を見るのはワタクシのささやかな楽しみです。

流星や一生に会ふ人の数

今回高得点を得た主宰・片山由美子氏の秀句です。

このままでよく出来た作品なのですが、
犬バカ者のワタクシならば、

流星や一生に会ふ犬の数

としたいところですね。
ま、、、ワンコに無縁の人からは、これでは、
あまり共感を得られそうもありませんが、、、

と、これはつい最近のワタクシの作品。

大いなる入道雲へ爆走す

おとんに、
「これどお?」
と聞くと、
「なんのことかわからんっ!」
とピシャリ言われてしまいました。
おとんがりきを引いて自転車でビャ-ーーッ!!!
と走る行く手に、巨大な入道雲がそびえていたのを見て、
ピカッと出来たんだけど~
やっぱりわかりづらいか、、、

りきはギャロップで張り切って、
「♪♪♪」のお顔で走っていましたが、
帰りはヘロヘロになって、
ベロが真横に向いておりました。
まだまだ暑かったね~。

季節の変わり目。
こういうときは俳句が妙に浮かびます。
と同時に、りきが下痢ピーになる危険のある時期だ。
はぁ~~風情がない話だけど、、、気をつけなきゃネ。





2006.08.12 夫婦佳き哉
もう日記のあちこちで書いていますので少々くどいようですが、
おとんが先週末から腰を痛めていました。
痛めた当日は本当にひどいありさまで、
ワンコのように四つ足でのそのそする姿には
つい笑ってしまいました。
ひどい女房です。
翌日整骨院に行くことになりました。
たまたま家に居た上の娘に車で送ってもらったのはいいのですが、
降りたとたん、公道をちびのワタクシが75kgある大の男を
背中にもたれさせて整骨院まで移動です。
いやこうなると、人目も何も憚るいとまもありません。
いつもケンカばかりしていることの多いワタクシ達ですが、
傍目にはものすごく仲のいい夫婦に映ったことでしょうね。
ま、ものすごくイヤ~!でもなかったので、
まぁまぁの仲なのでしょう。

わんこものとは直接関係ないのですが、、、
ワタクシの短歌ではわが夫を詠んだものが結構あります。
もしかしたら犬の次に多いかも。
祖父母が孫を詠むと、感情が入りすぎてつまらないものになりがちというのが
一般的な見方ですが、べっとりラブラブでもなぁんでもない夫婦などはその点、
ほどほどの距離が返ってうまく働くのかもしれません。

いとおしき言葉は要らず側にいる ただ居てくれるここちよき距離

詰め甘き囲碁の弱点仕事には出てくれるなと君を見送る

夕茜ようよう昏(くら)むつかの間の静けさに似る夫婦のかたち

ケンカの種は色々ですが、、、
ときにはこういうことも。

抱き上げし仔犬に吾(あ)への繰り言をぽつりぽつりと君はつぶやく

この「仔犬」とはさよのことです。
さよちゃん、よくつきあってくれたね。
このときは、
「お母さんはお前達のことばっかやなぁ~」
だったっけ?

ワタクシの腰もとばっちりを受けてちょっとおかしくなりました。
今は共に治療して、おかげさまで二人ともほぼ収まったようです。
ご心配をおかけいたしました。
後はクセにならないように気をつけてもらいまひょ。






2006.07.25 エノコロ草の風
長い長い梅雨がようやく明けそうです。
お散歩も今日はちょっぴり周りを楽しめるようになりました。
姉妹が草陰から飛び出すカエルを追ってはなかなか進まないような、
ほほえましいお散歩姿に比べると、りきとさくらは落ち着いた
いかにもオトナの散歩です。
風が心地良いので少し足を延ばしてみました。
「ちょっと休もうか」というと2頭とも静かに足を止めます。
思い思いにそばの草むらを匂ったり、掻き掻きしたり、、、
通勤の車の途絶えた道。
吹き渡る風に揺れる一面の青田。
さあて、今日も一日がんばれるかな。

いつもより遠くまで来て一休みエノコロ草の風に吹かれて
2006.07.09 ヘビニョロ天国
この時期のワンコのお散歩につきものなのは、
なんといっても、朝夕の涼しい畦の斜面にベト~ッと
身を投げ出しているヘビたち。
こういう時のヘビは間違ってもトグロなんか巻いていません。
荒縄のごとくほぼ一直線の姿でお腹を冷やしています。
動かないならたとえ猫であろうと気がつかない我が家のワンコたち。
たまにぴかっと光る表皮にそそられて、さっちゃんがザザッと
にじりよることがあるくらい。
薄曇のモワンと暑く風のない日、、、なんかに特に何匹も
遭遇します。
たまのお休みにいっしょに散歩に出てくれるなおなおも、
「ヘビに遭いたくな~い」なんてかわいぶっていますが、
映画の「アナコンダ」なんか何回も観ているくせにね。

ワンコものではありませんが、、、一首。

畦に棲む蛇皆おなじ縞(しま)にして血縁ならむ夕涼みして
2006.06.15 かわずの鳴く音(ね)を聞きながら
田植えも終わり、今うちの周辺は
夜毎カエルの大合唱が聞こえてきます。
そんなひととき思い出されること。

ぽんぽんのトレーニングを終えると、トレーナーの先生にちょっと一服していただいて、
色んなお話をお伺いしてきました。
つらいお話もお聞きしました。
トレーニングを受けるワンちゃんは、覚え盛りの仔犬やきちんとしたしつけをしたいという真面目な飼い主さんのコばかりではなく、「どうしてここまで、、」と思うほど凶暴化したコも中にはいるとか。
そのようなワンちゃんでもゆっくりと時間をかければそれなりに成果はあがるそうですが、途中で飼い主がサジを投げてしまう、、、飼い主の手で保健所に連れて行かれたコもいるそうで、、、
人間で言えば家庭内暴力でどうにもならなくなった息子を、思いあまった親が自らの手にかけるのは事件になるけれど、ペットに関しては行政任せの合法的なこととして当然のごとく処理されていく。
そこにまで至るプロセスで必ず飼い主にも原因があるはずなのに。
こんな手に負えなくなったコの他にも、日々大量に保健所へ連れ込まれるワンちゃんネコちゃんたち。
年を取ったから
病気になったから
飽きたから
さまざまな理由をつけて。
「不用品」として捨てられていく。
ネットで知ったのですが、今の保健所で処分される犬猫の実態はかつての野良犬・野良猫の捕獲よりも人の手によって持ち込まれる方が断然上回るのだそう。

「殺処分は現状では二酸化酸素を使うため、窒息に時間がかかり苦しみながら死ぬんです」
その凶暴化したワンちゃんの哀しい成り行きを肌で感じているトレーナーさん、
「保健所に持っていくくらいなら飼い主の責任でせめて安楽死させてあげてほしかった」
きっぱりと言い切るその言葉がいつまでも忘れられません。

太古より人の友とふ犬猫の殺戮(さつりく)しげきこの国の闇(やみ)

夜を込めて鳴き渡るカエルたちよ。
いっときのいのちのカエルたちだけど、
それは幸せなひとときなんだろう。