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2005.08.21 展覧会犬と家庭犬の間
9月に入ると、早くも日保の秋の展覧会が始まります。
展覧会大好きの私にはワクワクする季節の到来です。
柴犬だらけの犬臭い空気に包まれる幸せと、他所様の美犬ぶりを芸術品の鑑賞のように堪能できる喜び、それに顔見知りの柴犬にとりつかれた方々との再会・・楽しみはきりがありません。
でも展覧会といえば、いつも思い出すことがあります。
会場には、私のような見るだけのギャラリーもたくさん来ます。中には柴の愛犬連れで来ている人もちらほら。そんな犬連れの人に、日保の帽子をかぶった偉い先生風の方が、犬の品定めをなさって飼い主にアドバイスされている姿を見かけました。
あるときは小さなお子さん連れのご家族。見るからに雌とわかる品のいい柴を連れていました。まだ8カ月位でしょうか。偉い先生が犬を誉めます。
「これはいい!どこの犬舎から手にいれなさった?ふんふん。眼がいい!う~ん、毛もいい。運動は?」飼い主の若いパパさん、
「子供が散歩に連れて行ってますけど・・。」
「子供に!そりゃあいかん!運動は大人が厳しくせにゃならん!あなたが毎日引っ張んなさい!犬は厳しくしつけにゃ、厳しく!」
あるときは少し太めの、けれどとてもきれいな雌の成犬柴を連れたご婦人に、また同じ先生、
「これはいいね。でもちょっと重いな。おやつなんかやってるんじゃないでしょうな。」
「あ、あの~お風呂上りにアイスクリームをちょっと・・」
「アイス?いかんいかん、犬はドッグフード以外はいっさい必要ないんです!・・おや?この犬、腹切ってんの?(避妊手術のことらしい。)うぇ~、あなた、腹切った犬なんてもう全然価値ありませんよ!」「・・・。」後でこの奥さん、「そんなこといわれてもねぇ。」と苦笑いしてありました。「アタマ硬いんでしょうね。」と、せめて慰めにもなっていない言葉をおかけしたのですが、ちょっとひどすぎます。
この先生、今もよくお姿をお見かけします。展覧会に行く度に思い出されるこれらの会話(暴言?)に、展覧会犬と家庭犬との遠い距離を感じずにはいられません。もちろんその先生も、長年の経験に培われた優秀犬の作出という見地から言ってあるのですから、むやみに否定することもできませんが、それにしても「偉い」というより「エラそう」でした。(こんなこと書いたら怒られちゃうかな?)

どういう境遇のワンコでも、そのコにとって飼い主はかけがえのない存在だということを知らされる出来事を目撃しました。
昨年の静岡であった全国展でのことです。
午前中の1次審査が終わり緊張がほどけたリンク上で、成犬雄の、すでに全国的に名犬として知られているワンコがそこを立ち去ろうとしていました。クールな表情で、それまできりりと素晴らしい立ち込み姿を見せていた、それはそれは威厳のある雄らしい雄です。それがどうしたのでしょう、突然耳をぺったんこにしてニパッと口を開き、尻尾を振り出しました。その先を見ると九州では有名なブリーダーさんの姿が。
このワンコは幼少の頃からある程度の成犬に達するまで、この方の元にいたワンコであるらしいことは会報の所有者の変更を見てなんとなく知っていました。こういった名犬が「優秀な血統の交流」のために、法外なお金とともに全国を行き来するのはごく一般的なことらしいのですが、「○○!」と愛称で呼びながら近づいてくる元の飼い主さんに甘える姿は、どこにでもいるありふれた一匹のワンコの姿でした。
柴を含む日本犬は、いわゆる「一主一代」、忠犬ハチ公に代表されるように最初のご主人様を生涯慕う習性があると言われる一方で、ブリードの世界では、より良い犬の作出のために、ワンコをある段階で入れ替えるのは日常茶飯事だとか。「久しぶりに長く手元における犬が手に入った」などと犬仲間に話してあるのを聞くと、この独特の世界には、私のようなごくごくフツーの家庭犬の飼い主は、逆立ちしても馴染むことはできそうにありません。
りきを飼い始めたときも、仲立ちされた日保の方がおっしゃるには、
「この犬を雌にかけて、いい雄の子が出来たらそれを残して、この犬を出すのが一般的な流れと言うか、やり方なんですけどね。」
なな、なんですって!そんなことするくらいなら、舌を噛み切って死んでしまう!!!と思いました。

とはいえ、最近の展覧会では、ごく普通の家庭で飼われているらしいワンも多数出陳されるようになりました。こういったワン達がどんどん上位に進出して旋風を巻き起こしてくれれば、展覧会もますますおもしろいものになることでしょう。どこまでも外野席に座って眺めている者の、お気楽で率直な感想です。

しかし、ウチのワンコ達ときたら、展覧会どころか、この頃ますますボ~~ッとしまりのない柴になりつつあるのですが、ちょっとあんまりかなぁ~。ねぇ~、りき!
『・・・グガ~グガ~・・・』(爆睡中)


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