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2007.02.22 春の訪れ
朝かげにたんぽぽ踏みて行く犬の肢(あし)なみ軽く春はととのふ
                           ~「犬の歌」平岩米吉歌集より

さりげない歌ですが、この季節の気分がよく表わされていますね。
とりわけ暖かい今年の冬の終わりは、春が一気に押し寄せてきたかのような印象です。

作者である平岩米吉氏は日保の設立にも係わった愛犬家中の愛犬家。
犬としては主にシェパードが中心でしたが、40数年の間に60頭余りの犬と、
犬の仲間である狼やハイエナなどを飼育し、愛し、観察された未曾有の動物学者です。
また動物文学という概念をこの国に定着させた功労者でもあります。
昔の犬の致命的な病だったフィラリアの撲滅のため、昭和初期に私財を投じて
研究会を発足させたのが、現在のフィラリア駆除薬の誕生につながりました。
氏はワタクシたちの愛犬の命の恩人とさえ言えるのかもと思っています。

多才な氏は少年の頃から新聞歌壇に度々入選するほどの歌作の腕前で、
犬に係わる歌を集大成させたものがこの「犬の歌」という歌集です。
長い飼育生活の中でやはり究極には「いのち」が中心となる作品がその根幹となっており、
読後は物哀しささえおぼえますが、気持ちを寄り添わせることのできるオーソドックスな
本格派の作品揃いです。

<その他の作品>

わが庭に一生(ひとよ)をすごす生命(いのち)ゆゑ時の間惜しみ共にあそばむ

人の世の大きどよめきにかかはらぬ犬の頭(かしら)を撫でつつぞをり

犬は犬、我は我にて果つべきを命触(ふ)りつつ睦ぶかなしさ






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